スポンサーリンク
プロ野球も大詰めで気づけば残り20試合程度になり、既に来季に向けての現有戦力と、補強ポイントなどが球団内部で整理されている頃でしょう。
今季は開幕ダッシュを決めて一時は首位に立っていましたが、現在はヤクルトと最下位争いを演じています。
立浪監督は3年契約の最終年。「3年目が勝負」と度々口にしていましたが、その「勝負の年」でこのまま終わることがあれば、今オフに大量戦力外があるかもしれません。
毎年ドラフトで新人選手が入団し、トレードや新外国人を獲得します。さらに育成から何人か昇格してきますので、12人~15人ほどの退団者が出ます。
3年連続最下位が現実味を帯びてきており、今オフも大規模な「血の入れ替え」が起きそうな中、あの大物選手が戦力外候補に浮上しています。
戦力外候補になりそうな選手7人を検証します。
中日・戦力外候補1人目
1人目の戦力外候補は、中島宏之です。
中島といえば、NPB史上2人目、パ・リーグでは遊撃手として唯一のシーズン100打点を達成した選手です。また、通算1928安打も記録しており、球史に名を残す名遊撃手の1人ではないでしょうか。
中島は2000年にドラフト5位で西武ライオンズに入団しました。松井稼頭央のメジャー挑戦に伴って台頭し、メジャー挑戦から帰国するとオリックスから巨人と長きにわたって活躍してきました。
2022年には39歳にして満塁本塁打を放つなど、衰えを感じさせない活躍を見せます。23年に死球などの影響もあって出遅れ、オフに巨人から戦力外通告を受けました。しかし、まだまだ中島はやれると見た中日ドラゴンズが獲得に名乗りを挙げました。
中日ではオープン戦から活躍し、開幕1軍入りを果たします。
しかし、4月13日にいきなり右手に死球を受けて抹消。
5月14日に再昇格となるも、今季はここまで15試合に出場し、13打数無安打(2死球)。
何より印象が悪いのが、ほとんどがチャンスでの代打出場ということです。中島は勝負強い打撃で知られていることもあり、こういった場面での代打枠としても獲得されていたでしょう。
しかし、立浪監督にとっては誤算でした。得点圏で見ると、13打席に立ち11打数無安打。試合の勝敗に直結する場面ですから、打てないと「中島が打てなかったのが敗因だ」と評価されてしまいます。
それもあってか、SNSでも野次が飛び交いました。中島の現状を表していて印象深かったのが、7月28日阪神戦での打席です。9回2死満塁の場面で、代打中島が告げられると、阪神ファンからはなんと歓声が湧いたのです。案の定、空振り三振で、SNSでは「なんであの場面で打率.000の中島なんだ」と話題になり、立浪監督の愛人起用ではないかといった投稿すら増えてきています。
しかし、その翌日に中島は出場登録抹消となってしまいました。今年で42歳、この打席だけ打てばヒーローという場面で起用され、1安打も記録できていません。このままいけば、戦力外通告されてもおかしくないでしょう。
中日・戦力外候補2人目~功労者は中日退団後他球団へ行きそう
2人目の戦力外候補は、ビシエドです。
2016年に中日ドラゴンズに入団してから、首位打者・最多安打・ベストナイン・ゴールデングラブ賞など、数多くのタイトルを受賞してきた「神助っ人」の1人です。
暗黒期でもずっと中日一筋で支え続け、「ドラゴンズが家族。生活の大切な部分になっている」とビシエド自身がコメントするほど、中日ファンみんなに愛されている選手でもあります。
しかし、昨シーズンは打率・本塁打・打点すべてで自己ワーストを記録しました。成績の低下も勿論ですが、何より気になるのが立浪監督からの評価が異常に低いことではないでしょうか。
立浪監督のコメントを振り返ってみると、昨年の5月には「若い楽しみな選手を使っていこうと。(ビシエド自身)自分の衰えというものにもやっぱりちゃんと気づかないといけない」とコメント。
今年6月の抹消時には「どうしても1塁、3塁と、ポジションが被る。投手を一軍に上げたいのでビシエドを二軍に落とした」とコメントしています。
たしかに今年の成績を見ても、15試合に出場し打率.209・1本・13打点・OPS.563とお世辞でも良い成績とは言えない状態が続いています。
しかし、SNS上では「石川とビシエドには厳しいくせに、なぜ中田や中島を上げるのか」「得点力不足なのにビシエドは上げないの?」「2軍で3割打ってるのに」といった、疑問の声が相次いでいます。2軍成績を見てみても、打率.301・4本・OPS.844と、中日の野手事情を考えると昇格してもおかしくありません。
ビシエドが戦力外にされるのは、これまでの活躍を考えるとあまり信じられませんが、観客動員数が好調で、オーナーも「昨季までとは違う戦いぶりを見せてくれている」と立浪監督を評価している様子。
このまま来年も立浪監督が続投であれば、評価が低いビシエドが戦力外となってもおかしくありません。年齢から見ても下降線を辿ることが予想されます。
9月10日、ビシエドはナゴヤ球場での2軍練習終了後に「もっと試合に出たい。自分の仕事をできる場を与えてくれるところであるならば、行きたい」と現役続行を訴えたとスポ―ツ各紙に報じられています。
年俸3億5000万円もビシエドは減俸を受け入れる気があるとのことです。
移籍最有力は西武ライオンズ。次いで楽天。年俸は7000万円の単年契約か。
出番がなくやっぱり戦力外か
3人目の戦力外候補は、砂田毅樹です。
砂田は2013年の育成ドラフトで横浜DeNAから1位指名され入団しました。
2015年に一軍デビューを果たし、以降は主に中継ぎ投手として活躍してきました。17年には70試合に登板し24ホールドを記録、(17年には62試合に登板し25ホールドを記録)
日本シリーズでも活躍するなど、着実にステップアップを遂げます。翌年にも70試合、21年には左のワンポイントとして58試合に登板し、ベイスターズの中継ぎ陣を牽引。
しかし、22年は若手の台頭などもあり、2軍生活が続きました。15試合の登板に終わり、11月に京田との電撃トレードで中日へ移籍することが発表されます。
昨季は18試合に登板し、防御率4.61。立浪監督から、制球難を強く指摘され、砂田自身もシーズン終盤にはサイドスローへ転向するなど、成績向上のための模索を続けます。「カーブが良く曲がっている」と、サイドスロー転向を高く評価したものの、今年はここまで1軍登板すら果たせていません。
2軍では22試合に登板して防御率2.53ですが、奪三振率4.64・被打率も.261で指標の見栄えも悪いのが続いています。決めにいくスライダーをカットされて粘られて、カウントが苦しくなる様子も見られました。
打低の年でこの成績かつ推定年俸も3800万円と高く、今年で29歳と厳しい状況に立たされています。
一方で、中日は左腕のリリーフが全体的に少ないです。なので、ここから活躍したり、2軍で覚醒の予兆を見せ始めたら、減俸してもう1年様子を見ることもあるかもしれません。
とはいえ、橋本侑樹や齋藤綱記といった中堅の左投手が1軍で活躍中ですから、そこにこれから割って入るのはかなり至難の業です。今オフは厳しい立場に置かれているのは間違いないでしょう。
堅守を誇ったが出番は若手に取られた・・・
お次は、加藤翔平選手です。
スポンサーリンク
加藤は2012年のドラフト会議にて、千葉ロッテから4位指名を受けて入団しました。
1年目から2軍で結果を残し、初の昇格も果たします。史上初の新人野手によるプロ初打席初球初本塁打を記録し、CSでもホームランを放つなど期待の新人として知られるようになりました。
翌年も2年連続で開幕一軍を逃すものの、98試合の出場で打率.253、3本塁打、18打点を記録。17年には開幕1軍を果たし、最終的には自己最多タイの98試合に出場。打率.280、4本塁打、23打点、7盗塁という成績を残しました。
しかし、以降は1軍で機会を貰うものの定着することはできず、21年6月に加藤匠馬とのトレードで中日へと活躍の場を移しました。
当時はリーグ最少のHR33本・183得点と深刻な得点力不足に悩んでおり、加藤には大きな期待が寄せられます。
22年は主に守備固めや途中出場として66試合に出場し、打率.222、1本塁打、5打点の成績を残しました。オフには100万円増の年俸2300万円プラス出来高で契約を更改し、国内FA権を行使せずに中日に残留することを決めます。
23年も開幕から一軍に帯同し、4月21日の阪神タイガース戦ではフェンスに衝突しながら打球を捕球するファインプレーを見せ、監督の立浪和義から「今年一番のプレーになるかもしれない」と称賛されました。最終的に59試合に出場し、打率.225・4打点の成績を残します。
「役割が変わって大変だった」とも振り返り、球団代表からは「自分のことで大変だと思うが、若手の手本にもなってほしい」と求められたことも明かします。そして今年を迎えましたが、現在は1軍でも出番がない状態です。2軍成績も振るわず、現在は打率.202・4HR・14打点と低迷しています。
一方、守備は光るものがあり、先日の試合でもセンターでスーパーキャッチを見せていました。直近の試合でも、いい当たりが増えているので、少しずつ調子を上げてきています。「1軍でも見たい」というファンも少なくありませんが、やはり崖っぷちであることは間違いないでしょう。
8月の調子を維持できれば今季初昇格かと思われましたが、同じく30代前半の川越誠司が好調。後藤俊太が降格となった際には、加藤ではなく、若手の尾田剛樹が昇格しました。尾田はこれが再昇格で、以前降格した後は二軍でスタメン出場は0試合、盗塁0・盗塁死2・牽制死1です。この成績でも尾田が優先されたということは、2軍の中でもかなり序列は低いことがわかります。9月になっても出番がなく、戦力外候補筆頭の1人です。
俊足堅守を誇るが物足りなさは否めない
5人目の戦力外候補は後藤駿太です。
走攻守揃ったプレースタイルと、投手でも最速147キロを放つ身体能力の高さから「群馬のイチロー」と評価され、2010年に外れ外れ外れ1位でオリックスに入団しました。高卒新人外野手としては、張本氏以来52年ぶりの開幕スタメンを記録し、3年目以降は5年連続100試合に出場。しかし、以降は打率が1割〜2割前後で低迷。肝心の打棒が奮わないことから2軍生活も増え、22年7月に石岡諒太とトレードという形で中日に入団します。
中日では移籍直後から早速チャンスを貰いますが、58打席で打率.160と定位置を掴むことはできませんでした。昨年は開幕一軍を果たすも上半身のコンディション不良で、不運にも直後に抹消されてしまいます。6月中旬に復帰すると、守備固めで出場し強肩でピンチの芽を摘むなど活躍するも、打撃面では低調が続きました。代打での起用がメインで、打率は.182。得点圏で送り出されることも多く、12打数3安打で.250・6打点とこちらも目立った活躍は残せませんでした。
今年はオープン戦から結果を残し、ファームでも打率.316・2本・10打点・OPS.778と好成績。
この活躍を見れば、得点力不足にあえぐ1軍に昇格されるのは当然でした。7月19日の試合では、1軍昇格即スタメンで打っては初ヒット、守備でも魅せまくります。
しかし、その後はピタッと止まり、30打席に立って打率.148と低迷。31歳とベテランの域に入り、厳しい立場に置かれています。ここまで1軍で結果を残せていないと、こちらも若手から中堅に切り替えたほうがいいとなってもおかしくないでしょう。
一方、守備要員としてはかなり優秀で、強肩でピンチを救うシーンなども未だに見られます。もう少し打撃面の改善を見せられればと思いましたが(打率.133)、8月12日以降一軍の試合に出ていません。戦力外候補の1人です。
戦力外は妥当か。現在二軍でがんばっているが・・・
アレックス・ディカーソンです。
2011MLBドラフト3巡目でパイレーツに入団し、そこからメキシカンリーグ、米独立リーグを経て、23年に中日と推定年俸7000万円で契約しました。米独立リーグでは、115試合に出場し、打率.314・26本塁打・91打点の成績を残しています。中日にとっては、待望の長距離砲として期待した人も多いでしょう。
いざ迎えた開幕戦、ディカーソンは7番レフトで起用され、来日初打席で初ヒットを放つなど2出塁の活躍を見せました。しかし、なんとその翌日に腹痛が原因で抹消されます。
5月24日に一軍に再登録されると、翌日のヤクルト戦でNPB初本塁打を記録しました。「カメハメハ」パフォーマンスで日本文化への愛を見せるなど、ファン達を盛り上げます。しかし、その後は中々結果を残せず、翌月の6月に再度抹消されました。ファームでも数字がついてきませんでしたが、7月末に再度登録。再昇格後初戦の30日には、3打席に立って1四球・1故意四球・1安打と3出塁。そこから、12打席で3安打2四球という活躍でディカーソン自身も「打撃の内容がいい」と、好調ぶりを見せました。
しかし、その後また抹消となってしまいます。立浪監督はこの抹消について「速いボールに対しての対応がしきれていない。短い期間だけれども、もう一度2軍に落とすという決断をした」とコメントしており、あくまでも短期間の調整だと明かしていますが、現在でも2軍生活です。
現在1軍成績は打率.205・3HR・5打点、得点圏打率は.043。助っ人でこの数字だと、戦力外もやむをえないでしょう。
もう1年できるかどうか・・・近本打法に変えたこの選手
次の戦力外候補は三好大倫です。
高校時代には投手として最速144km/hを記録し、打者としても高校通算26本塁打を放つなど非常に身体能力に長けた選手です。社会人チームで左打ちの外野手に転向し、2020年ドラフト会議にて6位指名で中日に入団しました。早速ルーキーの中で唯一、一軍キャンプメンバーに抜擢されましたが、一軍出場はありませんでした。22年は開幕二軍でしたが、3月29日に初めて一軍に昇格し、翌日の試合途中に守備で初出場を果たすと、6月19日にはプロ初安打となる二塁打を放ちます。30試合に出場し、打率は.218だったものの、初本塁打、6盗塁を記録するなどでチームに貢献しました。
2023年は7月までに二軍で59試合に出場し、打率.263・14打点・9盗塁で29日に一軍初昇格を果たします。主に代走や守備固めとして活躍。しかし、結果的には打率.154・3盗塁で前年よりも成績を落とします。
1軍でのチャンスは多く貰えていたものの、中々定着できないシーズンが続き、本人も何かを変えようとオフに行動していたようです。
今年からは阪神近本のように、バットのヘッドを投手に向け、タイミングよく右足を上げて降りぬくフォームに変えています。また、お手本としている大島洋平のもとにもアドバイスを貰いに行き、トレーニングを見させてもらっています。そして、オープン戦からアピールを続け、憧れである大島洋平から1番センターのポジションを奪い取り、開幕スタメンを果たしました。
しかし、不安定な守備と打撃不振が続いた結果、5月24日に抹消されます。そして現在まで、ファームにおり、打率.195・6打点という成績です。春先の勢いを見ると確かに実力はあると思うのですが、ファームでも出番が少なく、現在も不振が続いています。センターをある程度守れれば、チャンスはあると思うのですが、このままシーズンを終えるとすごく危ない立ち位置です。
また、内野手の支配下が多いことは知られていますが、外野手も支配下が14人で12球団単独トップです。また、これだけ多くの支配下がいても、内野手登録のカリステが急造で外野を守り、センターを守っていたこともありました。面子を見ても今年は外野手に整理対象が多いため、社会人出身26歳の三好も整理対象に入るかギリギリ免れるか・・・首元が涼しい10月を迎えそうです。
スポンサーリンク